さよならテレアポだらけの日々よ
起業して色々と学んだことはありますが、そのうちの一つに「マーケティング/営業の大切さ」があります。
どんな素晴らしいサービスでも、マーケティング/営業ができないとビジネスにならないですしね。
最近は特に技術者が起業するケースが多いので、マーケティング/営業に疎いケースも多々あります。
と、偉そうに書きましたが僕は技術者でも無いのに、営業が苦手です。
テレアポなんて心折れまくります。ホントに嫌い。。
最初に入社した会社でも、同期で一番アポが取れなかったです。
幻の仕組み作り
個人の営業資質が無いと知ったので、すぐさま
「じゃあ営業ができる仕組みを作れる人になろう!」
と思いました。
ということで、とことんマネジメントを学びました。
またアカデミックな知識だけでは何も成し得ないので、社内でそういう部署を立ち上げて(というかたまたま需要が出てきた)、
営業マンの採用や教育、オペレーション作りにモチベーション管理など、、それらの実践を通じて営業ができる「仕組み」を
作れるようになりました。
しかし。
起業した際、その「仕組み」を作るスキルは全く活きません。
なぜなら営業マンを雇わなければならないから。
そして、営業マンによって成果がバラバラなのもわかっていたから。
そうです。
僕が作れるようになってたのは、営業マンがいないとダメなモデルです。
これ、仕組みでも何でもないんですね。幻の仕組みだったんです。
個人に依存、量に依存
例えば。月額25万円の営業マンを採用したとしましょう。
年間にかかるコストは、
・月額25万円×12ヶ月=300万円
・賞与1ヶ月分×2回(夏・冬)=50万円
・福利厚生/保険など=50万円
合計400万円です。
400万円の投資をして、成果が出るかどうかは個人によります。
確かにマニュアルを整備したり、ターゲットリストを揃えたり、SFAで行動管理したり、、、
色々と手法はありますし、ある程度僕もやってきましたが、最後は結局個人の資質なんですよね。
余談ですが、結果が出る営業マンほど入力業務が嫌いだったりします。
ただ組織としてはそれをさせなければならない。よってそれをルール化する。
で、生産性を逆に落とす。みたいなことはしょっちゅうです。
さてさて、ということで人を雇うということは非常にリスクが高いんです。
組織も大きくてお金もあるとこならともかく、ウチみたいに資本金500万円しか
ないような会社にとってはとんでもないです。
そして営業マンがいないといけない「幻の仕組み」というのは、
「個人」に依存することになります。
そして
「量」に依存することになります。
つまり
「営業マンに頼る×テレアポや飛び込みという手法=営業コストが下がらない仕組み」
皮肉にもこれは見事に仕組み、なんです。
そう考えると、例え組織が大きくてもお金に余裕があっても、考えモノではないでしょうか。
ファンを作っていく
営業マンを採用できない僕はどうしたかというと、ブログやTwitter、Facebookを活用しました。
「TwitterやFacebookを使って〜」ってなると、フォロワー数をとにかく増やしましょうとか、
とにかく友達を増やしましょうとか、知ったかの人や怪しいコンサルタントがよく言ってますが
そんなことは必要ないんですね。むしろ逆効果です。宣伝目的のタイムラインなんか、誰も見たがらないですよね。
なので、会社の宣伝をしまくってるワケではありません。もちろん時には宣伝もします。
が、メインは市場に関するトピックスやニュースを流したり、時事ネタや経営、ゴーリストという会社への想い、
また自身についてのブログを書いたりしています。
もはやサービスそのものは簡単に真似される時代ですので、機能とか価格とかだけで戦うのは賢くない気がします。
むしろそのサービスを市場に提供するまでのプロセスを発信するとどうでしょうか。
この考えは実は、かなーーーり前に楽天の三木谷さんの講演でヒントを得たんです。
資料なんか無いやろな、、、と思ってたら、ネットで見つかりましたのでご紹介。
このサイトに載ってました。楽天で卵を売っている「信州伊那谷のたまごやさん」のお話です。
(以下、抜粋です)
(1)商品情報をいかに発信するか
このお店の店長は木村さんという人なんですが、まずトップページに自分の写真を載せて、
「私はこんなに鶏をかわいがってますよ」ということを表現しています。商品の表示にしても、卵を割って中身を出して、これだけ黄身が盛り上がって新鮮なんだということを表現しています。
それからこの店舗には『かわいいひよこ成長日記』というコーナーがありまして、自分がどのように鶏を飼育して卵を
生産しているのか、ひよこの飼育段階から始まって全生産工程を発表しているわけです。例えば、スーパーマーケットの卵売り場に「有機飼料で育てた鶏の卵です」と書いてあったとしても、ほんとかなと疑問を
感じたりしますけれども、「私はこういうふうに飼育しています」という形で情報を発信すると、実にうまく伝わっていく。実際に頼んでみると、ほんとに新鮮なおいしい卵が届く。それがポイントではないかなと思います。
そういうお話をしていたら農家の方が、「そうはいっても、野菜なんかは商品を手にとってみないとよくわからない」とおっしゃる。
しかし、私に言わせますと、商品は手にとってみてもよくわからない。つまり、どういう肥料で作っているのか、公害問題はないのかといったことは、むしろ商品を見せるよりも、こういう形で信頼関係を
勝ち取っていくほうが、実は奥深い情報が流せるんじゃないかということです。
このように、、、
プロセスを発信して、知ってもらうことで共感してもらって、ファンになってもらえるんですね。
あとは、お客様の欲する情報を提供するのもひとつです。
市場のニュースを流すのはもちろん、例えば市場の情報をホワイトペーパーにまとめて提供したりすると
喜ばれるんじゃないでしょうか。これまたファンを作るのだと思います。
ファンができれば、宣伝もしてくれますし、タイミングとニーズが合えば、必然的に購入にも結びつきます。
そして会社として強みや特徴、サービス内容をコンテンツ化していくことは、会社としての本当の「仕組み」となります。
営業マンに頼らないワケですから。コンテンツは一度作れば残りますし、お客様への伝わり方にブレも生じません。
そして今は、そのコンテンツを伝達するツールが揃ってます。しかもタダで。いい時代です。
よって1対1ではなく、1対nのアプローチが可能です。脱・労働集約モデルです。
ウチの会社もまだまだではありますが、コンテンツの種類は9つ↓
問い合わせ件数は、大体平均で約月10件ほど。
販促費はほぼ0円です。
というわけで、色々な切り口で自社の良質なコンテンツを増やしていくことが大事です。
コンテンツを作るのは簡単ではないですし、手間がかかります。それこそ心が折れそうになる時も。
ただそんな時はこの偉人の言葉を思い出しながら作ってます。
「与えよ、さらば与えられん」イエス・キリスト
個人も同じ
最近は商談や会食前にFacebookやtwitter、ブログなどを見ていただけているので、
経歴はもちろん、僕がどういう性格か、価値観を持っているかを理解してお会いします。
なので話が早いですし、初対面なのに初めて会った気がしないんですね。
これは人見知りにとっては、かなりのメリットです。
僕が比較的ソーシャルメディアに積極的なのは、人見知りな性格が手伝っているのは間違いないw
自分の想いや価値観、ビジョンを発信していると、色々と引き寄せます。
ソーシャルメディアが無かったら、会えてない人がたくさんいます。
ツールありきでは無いですが、それでもこのツールを使わないのはもったいないです。
法人も個人もどんどん発信して、インバウンド(プル型)営業をする時代ではないでしょうか。