起業して1年が経ちました
今日でゴーリストを創業してちょうど1年です。
創業日にもエントリーを書いてますが、何だか早速「この頃はガキだったなー」という感じです。
1年前の自分がこんなに未熟に思えるのは初めてですね。
1年前のエントリー 「起業なう」
http://blog.livedoor.jp/r_kato178/archives/51643739.html
半年前のエントリー「起業して6ヶ月。7つの教訓」
http://d.hatena.ne.jp/r_kato/20110630/1309446876
時の流れとその濃度が、環境を変えることでこうも違うんだ、ということを痛感してます。
いやはや、起業してよかった。
ということで、振り返りや学んだことを書いてみます。
まずは事業のことから。
「競合がいない=簡単に売れる」ではない
ゴーリストを創業する以前に、色々な事業を立ち上げてきましたが、全ての事業に競合が存在しました。
なので、競合に負けた時には「競合がいなければ、、、」なんて思うことも多かったです。
でも今言えることは「競合がいた方がラク」です。
競合と戦う時に争点となるのは、大別すると「サービス内容」と「価格」です。
ですので自社が検討する事は、
・サービス内容を増やす/減らす
・価格を上げる/下げる
・ターゲットを広げる/絞る
くらい(と言っても実際は非常に深い議論にはなる)ですので、
サービスやマーケティングの改善案も作りやすいし、手を打ちやすいんです。
また競合との相対比較になるので、顧客が重要視しているポイントで勝つことに集中すればイイですしね。
初のプロダクトとなる競合広告調査ASP「Naked」。
何十社とプレゼンに行きましたが、競合がいないんです。まぁ、そもそもそういう狙いでしたので。
プレゼンに行くたびに
「こんなの見たことない」
「直感的にわかるのがイイ」
「マーケティングに使える」
などなど、かなりの高評価をいただきましたが、1つの壁に当たりました。
「活用方法」です。
競合がいない、ということはクライアントに取っても初めて見るもの。
なので、どう活用していいかは未知の領域です。
商談時では
「目新しさ」「気持ちいい操作感」「何となく使えるイメージ」があいまって、
「すぐに発注するよオーラ」をビンビン感じます。
ですが、なかなか社内にその温度感を伝えるのは難しいらしく、
稟議の際に引っかかるようでした。
自分たちがやってるコトをビジネスに
そこで、既に導入してもらっている顧客に、どういう活用をしているかをヒアリングしました。
すると僕達が気付かなかった活用方法を色々と教えてくれました。
そしてそれを動画でアップしていくことにしました。
GoalistTVの誕生です。
http://www.youtube.com/user/GoalistTV
この効果は絶大でした。社内でも動画リンクを転送してもらうだけで説明が付きます。
また担当者が社内で説明する手間を省きますし、分厚い文字だらけの提案書なんかよりは、はるかに見てもらえます。
B2Bですし、相当ニッチな分野ではありますが、3ヶ月で再生回数が1,000回を突破しました。
まだまだではありますが、このGoalistTVのおかげで活用方法のイメージを持ってもらうことでき、
Nakedの導入が促進されました。
そしてビックリすることが。
何とこのGoalistTVを見て「動画制作できますか?」というお問い合わせが増えました。
動画制作事業のスタートです。
他にも「ひょんな事から」のサービスが生まれました。
ウチは営業マンを持たないと決めているので、このブログを始めHPや各種ソーシャルメディアを活用して集客しています。
「そのノウハウをウチにも活用して欲しい」ということで、インバウンド営業のコンサル依頼が来るようになりました。
その流れでコンサル先からサイト制作やリニューアルの依頼もいただきます。
「動画制作」「インバウンド営業コンサル」「サイト制作」がビジネスとして成り立つようになりました。
労働集約モデルなので、これらをどんどん伸ばすことはしませんが、この事業で得られた利益を
本業であるASP事業に投資していくことができます。
自分たちのためにやってるコトがビジネスに。
これは僕達がリスペクトしている37signalsが提唱していることでもあります。
すごい製品やサービスを生み出す最も単純な方法は、あなたが使いたいものを作ることだ。
製品やサービスを作るには、毎日何百もの小さな決断を下さなければいけない。
他人の問題を解決しようとするのは、暗闇の中をむやみに進もうとしているのと同じだ。
解決しようとしているのが自分自身の問題であれば、足元は明るく、どれが正しい答えかがわかるはずだ。発明家のジェイムズ・ダイソンは、自分の問題を解決した。自宅を掃除機で掃除しているとき、
紙パック式の掃除機がどんどんパワーを失っていくことに気づいた。ゴミが微細な穴をふさぎ、
空気の流れを妨げるのだ。これは他人の問題ではなく、彼が直接に経験した「自分の」問題だ。
だから彼は自分で解決すると決め、世界初の紙パックのないサイクロン式掃除機を作った。
「小さなチーム、大きな仕事」(著者 37signals CEO ジェイソン・フリード)より抜粋
動けば、違うコトが見えてくる。そして、形になっていく。そんなコトを学べました。
2度の海外出張で決めたこと
Bangladesh Tour に行ってきた(1/2)
http://blog.livedoor.jp/r_kato178/archives/51678327.htmlBangladesh Tour に行ってきた(2/2)
http://blog.livedoor.jp/r_kato178/archives/51678749.html
シンガポールに行って来た Part1
http://d.hatena.ne.jp/r_kato/20110502/1304345649シンガポールに行って来た Part2
http://d.hatena.ne.jp/r_kato/20110503/1304390737シンガポールに行って来た Part3
http://d.hatena.ne.jp/r_kato/20110509/1304948691
今年のアウトプットとしては、バングラデシュに別法人を共同出資で作ったことです。
現在プロダクトを開発中です。今年はシンガポールにブランチを出したいですね。
あと色んな海外の方々と話して決めたことがあります。
それは移ってからビジネスを作ること、です。
当初は日本にいながら、モデルを作ってGo!というイメージでしたが、そんなに甘くないことがわかりました。
もちろんモデルはある程度作っていくのですが、現地でリアルに足を動かし、マーケティングし、プロダクトを開発リリースする。
少なくとも半年は売上0、というプランでいこうと思ってます。
そのためにも、日本で事業をもっと伸ばさないとです。
そして月並みではありますが、英語が話しにならないので、今年はより一層勉強しないとです。
とにかく人に恵まれた1年
しかしもう、これに尽きます。
無名で何のリターンがなくても、こんなにも色々と助けてくれるのかと驚きっぱなしでした。
多数の顧客紹介はもちろん、法務や経理などのアドバイス、海外人脈の紹介、ブログ活用のノウハウなど、
色んなコトを色んな人から助けてもらいました。本当にありがとうございます。
また事業面では、今はアントレプレナーの教科書でいう「イノベーター」の方々(先見性を持ちリスクを取ってくれる顧客)に助けてもらってます。
「狭い限られた市場で大きなシェアを勝ち取る」が戦略ですので、当面は人材業界周りの方々がメインではございますが、
今年はもっと多くの方々に、ウチのプロダクトを使ってもらえるようにしていきます。
今年は龍の年。
私はヘビ年なので年男ではないですが、名前が龍なので色々と調べてると、こんな素晴らしい言葉に出会いました。
龍となれ、雲自ずと来たる
武者小路実篤の言葉です。
「他人と違う高い志で理想を説き続ければ、同士は自然に集まってくる」という意味です。
改めて、自分の名前の由来だと感じました。
名前に恥じないよう、今年も邁進していきたいと思います。
みなさま、本年もどうぞよろしくお願いします。